清水俊史

拙著『お布施のからくり：「お気持ち」とはいくらなのか』（amzn.asia/d/0JYDIAh）の【目次】です。 私にしか書けない、そして幻冬舎だからこそ出せた、かつてない「仏教入門書」に仕上がったと自負しております。

聖典解釈は如何なる結論をも出し得るが、「何を得て、何を失うか」を常に天秤にかける必要がある。ペット往生は、失うものが多すぎて採用するに値しないというのが私の結論である。

ペット往生でﾜｹﾜｶﾗﾝのは「極楽でペットと飼い主が再開する」の美談。百歩譲って雌の畜生が極楽に生まれることが許されたとして、少なくとも人間は男しかない（35願）。飼い主が女性の場合、前世のかたちでの再開は不可能。こういう問題の説明を求めると、ペット往生論者は怒り出すのが常。

極楽浄土には「男の人」しかおりません…。仮にペット往生できたとしても、男の人として生まれ変わっております。

極楽往生の場合、基本的にはそうなります。もちろん例外はいくらでもありますが、だからといって例外を普遍して、「回向すれば、貴方のペットは、来世にそのまま極楽に往けますよ」というビジネスにするべきではないでしょう。

保守系歴史本は「忠臣蔵」と同じで、"お決まり"をどうアレンジするかを楽しむものである。「魏志倭人伝」「ルーズベルト陰謀論」「ハルノートを最後通牒と位置づけて、真珠湾奇襲を擁護」「GHQを非難するけど親米」などなど。

保守系の歴史本を読むとき、記紀神話の天孫降臨から日本の歴史が始まり、同時に魏志倭人伝を「あんなもの不要」と切り捨てる"作法"を楽しむのが、日本人の"しぐさ"というものだろう。

平泉史学など皇国史観に則っていない保守系歴史書が多くて最近驚いております。 せめて渡部昇一や西尾幹二までは、「魏志倭人伝を認めない」とかそういう作法を貫いていたのですが…。

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ペット往生が認められるにしても、やはり自業自得に則っていなければならないと思います。 そうなると、生前に信心を起こして念仏を唱えなかった畜生が、飼い主の廻向によって来世に直接的に往生するというのは難しいと考えます。

終戦記念日に靖国神社に行こうよって提案したら、「韓国で整形してくる」と言われてしまった。諸行無常。

「ペット往生」を認めるということは、「人身受け難し今すでに受く」という仏教の基本的な考え方にも抵触します。よってペット往生を普遍的に認めるというのは、仏教の基本原則を非常に多く失う結果になると思います。いずれ、石田一裕先生が反論を書いて下さるでしょう。

仏教書の編集者から「～～先生の本を出版予定です」みたいな話を聞いたとしても、数年たっても未だに出版されていないような話が多すぎる。

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