川村悠人
@Ag0vB
大学教員。研究のキーワードは「詩、言語、神話」です。面白いもの、かっこいいもの、ぞくっとするものを探し求めています。
ご質問につきまして、英独仏を含めると研究書や解説書の類はかなりの数にのぼると思いますが、たとえば以下のZaehnerの本は、各詩節の英訳の下に詳細で的を射たcommentaryがついていて、とても参考になると思います。 個人的に英語ではまずこれがおすすめです。 amzn.asia/d/3bbR4WP
先生、ご返信ありがとうございます。先ほど調べたところ、この本は台湾では出版されていないようです。また、私にとって日本語の原書を読むのは少し難しいため、もし英語の文献や書籍があれば教えていただけないでしょうか。ご面倒をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません
【画集】 七原しえ先生『緋花 根の国 底の果て』(KADOKAWA) 幻想的で崇高な雰囲気とともに、どこか切なげで懐かしい風が漂う。 Art is a window into a higher realm.

【マハバ語源メモ】 ユユツ(yuyutsu)は語根yudh「戦う」の意欲活用の派生語として、「戦おうと試みる者、戦うことを望む者」の意。 ユユツの場合、単に戦場で戦士として戦うということだけでなく、不正と戦うという性格もこの名前に見てとれるでしょうか。
植朗子『鬼滅月想譚』(朝日新聞出版) 最近どハマりした息子と一緒に私もどハマりしているところでした。専門家によるキャラクター分析を通じて理解を深められ、また他領域にも活用できそうです。 インド哲学との関連では、ヨーガ瞑想にもよく出る「呼吸」という概念にとても興味をもっています。

【マハバ語源メモ】 英雄カルナを形容する表現カドゥガ・ジフヴァ(khaḍgajihva)。意味は「剣の舌をもつ者」(khaḍga = 剣、jihvā = 舌) 舌戦を好み、またそれを得意としたカルナのかっこ良すぎる通り名。 (※老将ビーシュマもこの通り名をもつ。カルナとビーシュマ専用の表現)
【マハバ語源メモ】 英雄カルナが振るうインドラの神弓ヴィジャヤ(vijaya)、ジャヤ(jaya)だけだと「勝利」ですが、ヴィ(vi-)が付くと「特別な勝利、決定的な勝利」という意味合いがでます。 アルジュナに勝つことを求めたカルナの弓の名に相応しいと言えましょうか。
こちらの『リグヴェーダ検索』サイトは大変な優れものです。 meluhha.com/rv/ 気になる単語を入力すると(KH方式)、その単語の用例が一瞬のうちに列挙され、その用例をクリックすると、テキストと韻律分析に加えて英訳と独訳も見られます。 画像はカルナを検索したもの。カルナ祭り。

風間先生の『ラテン語とギリシア語』がちくま学芸文庫で復刊するとのこと! 本書に対する学術的な評価は私にはできませんが、色々と得るところが多かったように思います🙏! amzn.asia/d/a7snDHB

【マハバ語源メモ】 ドリタラーシュトラ(dhr̥tárāṣṭra)は「王国を保持する/支える者」の意(dhr̥ta = 保持されている・支えられている、rāṣṭra = 王国・領土)。 王という存在にふさわしい名ですが、いまいち支えることができていない気も。。。本邦における「持国天」の原語にあたります。

【マハバ語源メモ】 サハデーヴァ(sahádeva)の意味は「神々と共にある者」(saha =〜を伴う、deva=神)で、すでにリグヴェーダに見られる人名です。 さすがバラモンたちがつけた名前だけあって、由緒正しき名前のようです。
知人の方も指摘されてましたが、リグヴェーダに「黒き日と白銀の日は周りめぐる」という美しいペアをなす表現があり、これも嘘みたいですが、「黒き」にあたる原語はクリシュナで、「白銀の」にあたる原語はアルジュナです。 宇宙規模の壮大さを感じさせる表現なのもたまりませんね。

神々はよく知られた名以外に、隠された秘密の名を色々もっているのですが、インドラがもつ秘密の名の一つは、嘘みたいですが、《アルジュナ》です。 インドラとアルジュナの強い繋がりを示唆する興味深い一節です。

息子(5歳)と刀鍛冶の里編を視聴 「ここが刀鍛冶の里か〜」 「ここギリシャよ」 「いや日本やろ笑笑」 「昔からあるのはギリシャよ?」 昔の、古典的な世界=ギリシア世界、と理解してるようだ。
「原語を学んで何になるの?翻訳読めばよくない?」問題の第二弾ですが、たとえばリグヴェーダに出る「インドラは白銀に輝くヴァジュラを開放した」と訳せる一節、「白銀に輝く」にあたる原語がアルジュナ(árjuna)であることを知ると、興奮のあまり夜も眠れなくなります。
