阿乱隅氏
@yoiinago417
ワシントンDCで少女の首が回転した時 東海岸の沖合で鮫が炸裂した時 NYで運転手がカチ込んだ時 ワイオミングに母船が着陸した時 昔々遥か彼方の銀河系で要塞が爆発した時 カンボジアの奥地で王国が燃えた時 コロラドで父親が雪の迷路に消えた時 私はそこにいました (ローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」より)
明日はデヴィッド・ワーナー誕生日。「わらの犬」の精薄青年に「オーメン」の首チョンパ、「戦争のはらわた」の虚無的な将校から「タイム・アフター・タイム」の切り裂きジャック。独特の重みに格調を漂わせた英国の名優。「タイタニック」の老用心棒の凄味も彼ならでは。3年前の夏に世を去りました。



「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」アマプラ鑑賞。河合優実がさらにとんでもない役者になった。もはや怪物級だ。内容的に作為が強すぎる部分もあり手放しで絶賛出来ないが、良い作品なのは間違いない。最強決壊ポイントは伊東蒼の長台詞シーン。あれほど切ない愛の告白を私は観た事がない。



今日は高島忠夫氏誕生日。私にはまずキンゴジ、海底軍艦等東宝特撮の陽性主人公であり、ドレミファドン、ウルトラクイズの明朗司会者、ゴールデン洋画劇場の元気印解説者でした。故に心の病に罹った時は驚きましたが、フラバラの冷酷な科学者同様明るさの裏には影が伴うもの。息子達も個性的俳優に。



キューブリック生誕祭「突撃」 WWⅠの膠着する戦線。上層部の無謀な作戦と見せしめの兵士処刑。軍隊の非人間性を痛烈に描いた初期の傑作。塹壕内の長い移動撮影や広角レンズで捉えた屋内の構図は「シャイニング」、司令部の美術は「バリー・リンドン」「2001年宇宙の旅」。天才は既に発動していた。



今日はサー・ミック・ジャガー誕生日。個人的に彼のベストパフォーマンスは“Emotional Rescue”(`80)。セクシーな裏声が地声に変わる瞬間は数千回聴いてもゾクリとします。 35年前、東京ドームのステージを所狭しと駆け回る姿はこの目でしかと。たかがロックンロールじゃないか、いつまでもお元気で。


今日はスタンリー・キューブリック誕生日。映画界に屹立する天才にしてジャンル映画の巨人。「2001年宇宙の旅」が宇宙SFの王道を踏みながらそれを超越して孤高の芸術へ昇華したように、ホラー、戦争、ノワール、コメディ、コスチューム劇等に地殻変動を齎しました。胸のすく数々の映像魔力は今も新鮮。




「この夏の星を見る」鑑賞。爽やかで優しくて、感動的だ。何より素晴らしいのは、物語の背景であるコロナ禍でより強まった反知性主義が蔓延する今、科学の喜びを説き、それが若者たちに伝播してゆく姿である。それは作者の願いであろう。この狂った世界を救うのは、彼女彼ら若い世代の知性なのだから。



今日はヘレン・ミレン誕生日。英国を代表する名女優。RSC仕込みの演技力に加え「コックと泥棒、その妻と愛人」等に見る抜群のスタイルは還暦直前の「カレンダー・ガールズ」でも健在でした。女王に成り切ってオスカー獲得後も凄腕暗殺者(RED)怪盗(ワイスピ)暴力女神(シャザム)と元気一杯で嬉しいです。



TLにはチャック・マンジョーネ氏("Feel So Good"はヘビロテしました)の訃報は流れてもこの方が出てこないので私から。 皆川おさむ氏が亡くなりました。62歳。まだ若い。「黒ネコのタンゴ」のレコードは持っていましたが私はB面の「ニッキ・ニャッキ」が好きだったな。ご冥福をお祈りいたします。

職場でPC入れ替えをしているのですが、私が半日かけて四苦八苦した初期設定その他を30代以下は数十分でやってのけるわけです。人類としての違いを実感します。昔両親がビデオ予約に苦労している姿を「なんであんな事わからないのだろう」と見ていた事を思い出しました。 え?おれがITダメ人間なだけ?

「春の画SHUNGA」アマプラ鑑賞。春画に不勉強な私は本作でその緻密かつ大胆な芸術性やこれが世界的に稀な事象(有名画家がポルノグラフィを描いた)である事を知りました。出演者の半数以上が女性(監督も)というのも興味深く、また日本人の性意識を知る上でも貴重なドキュメンタリーかと思います。



明日は山形勲氏誕生日。顔/体型/声全て圧強し。故に政治家、官僚、重役等権力者を演じると天下一品です。悪役多めですがたまに善い人だと頼りになるんだな。「地獄門」は2枚目長谷川一夫が悪で氏が善という珍しい配役でした。この人を凌駕せずとも、肩を並べる重みを持つ役者はもはや存在しません。


「ファンタスティック4」もそれこそ4度目の正直なわけですが、私は「宇宙忍者ゴームズ」が好きだったので今度こそ復活して欲しいです。でも日本ではムッシュムラムラな踏ん張りが必要でしょうね。 あと「怪獣王ターガン」の実写化はまだでしょうか。ヒューヒューポーポーも今ならCGで出来るじゃん。



「日曜日はいつも雨」アマプラ鑑賞。脱獄犯が今は主婦となった昔の恋人の家に逃げ込み、日常に疲れた女は家族に秘密で匿う事に…緊迫の数時間を女の家族中心に一種の群像劇として描いた英国ノワールの秀作で、仏映画を思わせる苦い人間ドラマとしても秀逸。終盤の追跡劇は今の目にもスリリングだ。



昨日はテレンス・スタンプ誕生日。「コレクター」「悪魔の首飾り」「テオレマ」に観る美く病的な人外感の果てにゾッド将軍が。あの貴族的冷酷さは未だヴィラン最高峰。「イギリスから来た男」の復活劇も嬉しく、怪優的役柄以外にも「アンコール!」の頑固だが妻には優しい老人役は泣かせました。



1995年の今日「アポロ13」公開。当時上司から「危機管理の勉強だから観ておけ」というお達しがあったのですが、その後情報漏洩問題が発覚し「アポロは空気漏れでおれたちは情報漏れかよ」と笑えない冗談を言っていました。危機管理か樹木希林か知らんけど映画で仕事の勉強なんかしたかないよね。

ロック評論家の渋谷陽一氏死去。ある著作で、全盛期日本ではビートルズを(若者層ですら)風俗現象と捉える傾向が強く、音楽性を評価する人は一部で、故にビートルズが自分の青春と語る人が胡散臭いと書いており、それ何となくわかるけど、敵を作る人だなと思いました。「産業ロック」の命名者でした。

今日はウィレム・デフォー誕生日。若き日のギラついた悪役は「プラトーン」で見事転生、キリストにFBI捜査官、ヴィランから主人公の頼りになる補佐役、モーテルの心優しきオーナーにゴッホにマッド科学者と出演作引きも切らず、古希を迎えてますます活躍。だからもうオスカーって何年も言ってるだろ。



往年のSF作家エリック・フランク・ラッセルの短編「証人」。地球を来訪した異星人が不法侵入の罪で法廷に立たされます。ほぼ有罪になりかけた時、弁護士が証人として出すのが自由の女神像の写真。台座に刻まれたこの有名な詩が無罪の決め手になります。感動的な結末でした。 その精神は今どこに。
