堀間律人
@forimalist
首都圏等の現代アート展をレポート。文化や芸術で一番重要なのは生物界と同様、多様性(diversity)。公募展から現代アートまで幅広くフォロー。かつて美術手帖が担っていたベタ記事(=クロニクルなアーカイヴ)になればと。元転勤族(札幌,仙台,名古屋,大阪)。AMSEA2018修了。現代アートにおける炎上事件を収集。
検閲などの事例はかなり以前から続発しており、下記フェイスブックに、日本の現代アート界における炎上・検閲・撤去等の事例(2008年以降)のページを立ち上げました(2022年11月7日現在)。随時更新していく予定です。なお、引用等される場合はご連絡をいただければ幸いです。facebook.com/%E7%8F%BE%E4%B…
「飯山由貴《In-Mates》上映会+シンポジウム「〈人権〉と展示の政治学:現代アートと精神障害、検閲、レイシズムの現在」を視聴。あいトリ2019年以前から、それ以降もこの問題事例は深く広くそして数多く起こっている。積み重ねられていない、相談窓口もないとの意見が重い。ga.geidai.ac.jp/2022/10/23/in_…
「蔡云逸 展」@コバヤシ画廊。8/2まで。 1995年上海生まれ、18年武蔵野美大卒、23年武蔵野美大院博士号取得。自分が見た夢を題材に選び、第三者の視点から観察するため、自分を観察し同時に観察されるドッペルゲンガー現象に似た体験になるという。 要するに夢日記のような絵画とのことらしい。




飯島暉子「微熱」藍画廊。8/2迄。 雨季のインドネシア・ジョッグジャカルタに滞在したことで生まれた作品。おそらく作家が使ったことですり減った石鹸と思われる。 ところでこの画廊が入っている渋ビル奥野ビル、各階に画廊が入っているギャラリーコンプレックスになっている。igallery.sakura.ne.jp/aiga972/aiga97…




「李晶玉 展」ギャラリーQ。8/2迄。 風景画を鉛筆等で細密に手書き、それをオリジナルとして拡大コピーしてコラージュとして貼り付け、それに人物を手書きで付け加えるという手法。観光地の看板状の顔をはめるパネルという意味らしい。国とは何か、アイデンティティとは何か。galleryq.info/exhibition_now…
李晶玉「アナロジー:三つのくにづくりについて」@ N&A Art SITE。4/26迄。 背景を手描きし、拡大してプリントアウト。さらにそれをコラージュし、中心に人物を手書きで描き込む。画風は繊細で精密な日本画の手法に似る。そうした手法は描かれたモチーフとともに、在日3世という作家の出自にも関係。
「万博の時代~画家たちの移動と交流~」@上野の森美術館。7/27まで。 洋画家 渡辺武夫、洋画家 神戸文子、版画家 野田哲也からの寄贈作品を中心とする展覧会のようなのだが、経費節約のためなのか1階だけの展示だし、テーマもなんかこじ付けっぽく、なんとも中途半端な展覧会。




「アスベスト館展」目黒区美術館区民ギャラリー。7/27迄。素晴らしい展覧会。ただ資料の整理がまだ進んでいないようだ。こういう展覧会こそ区美術館本体が取り上げて大々的にやるべき!海外での再評価が先行してしまう轍を踏むぞ。なお下記投稿の土井典という人形作家も土方に関係していた人とのこと。
「ひとはなぜ''ひとがた''をつくるのか」@横浜人形の家。6/30迄。 土井典という人形作家は知らなかった。四谷シモンに匹敵する重要な作家と思う。その他、工藤千尋という作家やアウトサイダーアート系作家も取り上げており発掘意欲に満ちた攻めた素晴らしい企画。舞踏小林嵯峨らによるイベントもある。
【美術鑑賞レポート】 最近見た展覧会で気になったもの。会期がまだあるのは、小宮りさ麻吏奈「CLEAN LIFE 」、AKI INOMATA/小笠原美環「同じ空の下に」、「彼女たちのアボリジナル・アート:オーストラリア現代美術」、「夜明けの荒野を走って:池口史子×碓井ゆい展」の4展。note.com/forimalist/n/n…
アスベスト館展 ◆会場:目黒区美術館区民ギャラリー(A) ◆会期:2025年7月23(水)〜27日(日) ◆会場時間:13:00〜18:00 ◆主催:NPO法人舞踏創造資源 ◆運営: 土方巽アスベスト館 ◆企画•構成:土方巽アスベスト館/森下隆
大久保紗也『その蛇は/Is that snake』WAITINGROOM。8/10迄。 数年前から個展、グループ展等で見かけている作家。人体をモチーフとしたドローイングから線を抽出し、マスキングテープを用いたペインティングに仕上げている。相似形も利用。現在、東京オペラシティアートギャラリーでも併催している。




「『時代に生きよ、時代を超えよ』川口黎爾の直視」 慶應義塾大学アート・センター。8/8まで。 かつて銀座にあった伝説的画廊「かんらん舎」と関係の深い個人コレクションによる展覧会。特にアナ・メンディエタの作品が見もの。ハイヌウェレ神話を思い起こさせる。撮影は不可。写真は配布の冊子から。




Sareena Sattapon「When you find you in the middle of emptiness」√K Contemporary。8/2まで。 タイの少数民族出自の作家。コンクール展やアートフェアで見かけたことがある。 制作の背景には格差社会に抗おうとする強い思いや、人々に平等にもたらされる幸福を願う気持ちが込められているという。




TOKASレジデンス2025「リンガ・フランカ Part2」8/10迄。 クリストファー=ジョシュア・ベントン Christopher Joshua BENTONの三重県鳥羽とアラブ首長国連邦の養殖真珠と奴隷労働に関する寓話映像作品と、AKONITOの中世フランドル地方の女性自立組織「ベギン会」に関する作品展示が特に印象に残った。




「永劫回帰に横たわる虚無」GYRE。9/25まで。 出品作家:中西夏之、ジェフ・ウォール、杉本博司、池田謙、アニッシュ・カプーア、森万里子、平野啓一郎、友沢こたお。三島由紀夫とロラン・バルトによって見抜かれていた日本の虚無性がテーマ。河合隼雄の『中空構造 日本の深層』を加えても良いだろう。




尹苑、小野栞、白川深紅、三宅珠子「残り火」The 5th Floor。8/3まで。 いずれも極めて物質感が薄弱な素材で作ったインスタレーション。 三宅はタンポポの綿毛。小野は細い糸のドレスやティッシュ。白川は菩提樹の葉に祖父の遺骨で作った膠絵具で五輪塔を描いた。尹は段ボールで作ったドールハウス。




松田将英『「Great Reset」|ポスト太陽フレア時代における再起動プロトコル』マイナビアートスクエア。8/9まで。 大規模な太陽フレアが発生し世界規模で通信が途絶えた近未来を想定した展示。太陽発電により電源が確保できたとしても無線通信はなかなか回復しないであろう。 artsquare.mynavi.jp/exhibition/253…




AKI INOMATA、小笠原美環「同じ空の下に」MAHO KUBOTA。7/26迄。 INOMATAは自作のガラスの殻をヤドカリに使ってもらう作品などの作家。小笠原は初見。今回INOMATAは独自に開発した3Dプリント技術によって飲用液体中に雲を再現した作品など。小笠原はハンブルクの澄んだ光のアトリエで描いた油彩作品。




中村哲也「GO FIGURE」@ NANZUKA UNDERGROUND 。8/2まで。 この作家の作品、豊田市美術館で見た記憶がある。材質は、繊維強化プラスチック(FRP)にポリウレタン塗装したもののよう。ほとんど漆器に見える。 nanzuka.com/ja/exhibitions…




白木麻子「Water Mirror」@ギャラリー38。7/27まで。 1979東京生まれ、ベルリンと東京を拠点とするアーティスト。 韓国人の夫を持つアーティスト自身の家族の記憶や、ドイツにおける移民やジェントリフィケーションなどから作家が感じる日常的な思いがモチーフとなっている。 gallery-38.com/current-exhibi…




森千裕、コズミックワンダー、∈Y∋、今村源、金氏徹平、木村友紀、伊藤存「TEXTURE PUNK」@ PARCEL。8/24まで。 1990年代末から2000年代初頭にかけての大阪。関西ニューウェーブの後の、まだ名づけられていないし、今後も名付けられないかも知れないが、熱いムーブメント。 parceltokyo.jp/exhibition/tex…




佐藤瞭太郎、Prius Missile|丹羽隆介「We Are The World」@ CON_。8/17まで。 映像、良く見るとトランプらしきアバター。 contokyo.com/we-are-the-wor…




河口龍夫、今井祝雄、植松奎二「1970年代」αM。9/20まで。 70年代主に関西で活躍した3人。京都アンデパンダン、京都ビエンナーレなどで発表した作品を今の技術で再制作、再演。まだコレクティブやコラボレーションという言葉もなかった頃の共同行為。8/30にグループ<位>等に関するトークや映像上映。



