Eiji Sakai
@elm200
技術と社会の接点。IT・AI・経済・政治・文化・言語。
排外主義に賛成はしないが気持ちは理解できる部分もあるという話を書きました。 elm200.hatenablog.com/entry/2025/07/…
石破さんが本気で旧安倍派と対決する覚悟を決めたのなら大変興味深い展開になりそうだがどうなるか。asahi.com/articles/AST7T…
外国人の不法滞在ガー」という連中にはいろいろ言いたいことがあるが、ここであまり言いすぎると必ず誤解されて面倒なので言わない。一つだけ言えるのは、「法令違反を取り締まる」というときに、日本人と外国人の違いをいちいち気にする必要はないということ。
日本政府は「移民政策」をどうするのか本当は正面から議論すべきなんだろうと思う(私はずっとそう思ってきた)。仮に移民を大幅に制限する場合は、それで経済的損失を受ける人たち(現在外国人を雇用している人たち)を説得する必要が出てくる。また日本経済の成長鈍化も甘受する必要がある。
ただ外国人が増えるスピードは問題かもしれないな。特にインバウンド需要の増え方に関しては日本政府は少しやりすぎたのかもしれない。いろいろ調整が必要かもしれないね。
ただ「外国人に来てもらわないと絶対に困る」という日本人が大勢いて、「外国人なんとなくヤダ」と思っている「ゆるふわ排外主義者」よりよほど切実な事情を抱えているので、実際には今後も外国人は増え続けると思う。
外国人に対して差別的な発言をするのはNG。一方で、国の合理的な政策の一環として、その人権に一部制限を加えることはできる。日本に住む日本国籍者の総意として、滞在する外国人の総数を一定数以下に抑えたいというならば、それはそれでアリ(個人的な好みには反するが、それは私の個人の問題)。
外国人はどの国でも就労の自由が大きく制限されている。デフォルトで就労はできず、許可を得た分野だけでできる。国家は外国人の基本的人権を尊重すべきだが、特定の政策目的上、自国民より強くその権利を制限することはできる。もちろん政策目的を果たすための最小限の制限にとどめるべきだが。
そういう前提で、さまざまな政策的論点から日本での外国人の活動を制限することは正当化できる。これは差別ではなく、どの国でもやっていることである。これは日本が外国人とどうやって付き合いたいかという国家のグランドデザインに基づいて、粛々と実行すればいいこと。
あんまり言いたくないのだが日本で排外主義に賛同している人たちのどれくらいがビザ(在留資格)を取って維持することの難しさを理解しているのだろうか。自分が一度外国に長期滞在してみれば「外国人特権」なんてありえないことはすぐわかるんだが……。
「外国人の不法滞在ガー」とか言っている人たちの本音は「文化も違い言葉も通じにくい人たちがいっぱいいて怖い」なんだろうなと思う。特に日本人は歴史的に外国人との接触が少なかったから。こういう人たちの気持ちをどこまで思い測るべきか。
どの国も建国神話を持っていて、その周りの実証研究はタブーとされがちである。日本にとっては天皇周りの話だが、これは日本だけに限らない。ナショナリズムは近代になって人工的に製造されたものなので、細かく突っ込むとボロが出るからだ。
仮に太平洋戦争が終わったとき、天皇制が廃止されていたら、日本はいまとは全く違った国になっていただろう。それが今より良いか悪いかは何とも言えない。ただ大きく異なっていただろうことは確かだ。
だから左派が日本で政権を握りたければ、天皇という存在を再定義して、天皇を構成要素とする自分たちなりのナショナリズムを構築する必要があるんだろうなあ。しかし、これはかなりアクロバット的に見えるので、今後も難しそう……。
だから、天皇という存在をあまり強調しない左派勢力は今後も日本では安定的に政権を維持できない可能性が高い。今後も日本で政権を握る勢力はおそらく自民党右派のような人たちなのだろう。それが日本の伝統的なナショナリズムを一番忠実に表現しているので。
日本の戦前のナショナリズムと現代のナショナリズムは直線でつながっていることがよくわかる。まあ、そりゃそうだよな。アメリカにちょっと支配されたくらいで変わるわけがない。
「戦前日本のポピュリズム」という本によると、日本のナショナリズムというのは「天皇+平等な国民」というものであったらしい。理論上は天皇抜きのナショナリズムもあり得るのだが、実際上、日本ではそれはほぼ成立しないようだ。
日本人は相対的に貧しくなって、海外旅行(特に長期で海外文化がきちんと理解できるようなもの)は難しくなってしまった。ただ、いまは YouTube で海外事情を知ることはできるし、海外との文化的な違いを頭で理解することはできるとは思うが……。